ありがとうございます。
さだです。
先日GLOBALシリーズGS-1のシースを制作しましたが、今回は同じくGLOBALシリーズGS-3のシースの制作に取り掛かります。
GLOBALシリーズは、新潟県燕市の吉田金属工業さんの包丁です。
刃は手術に用いられるメスと同じ材質のステンレス製で、切れ味も耐久性もある刃です。また、柄の部分もステンレスでできているオシャレな包丁です。
開発された当初は一体型オールステンレス製の包丁は日本では画期的すぎて受け入れられず、海外で人気が出たそうです。その人気から日本に逆輸入されたという経歴を持つ包丁だそうです。
↓ Amazonさんでも売ってます。
オシャレですよね(^-^)
ただ、依頼主の先輩曰く、「ナイフはかっこいいのに、かっこいいシースが無い」とのこと。趣味の釣りに持っていきたいのにいいシースが無いために、タオルで巻いて運んでいたそうで、オーダーメイドで作ってほしいと依頼してくださいました。
ありがたい事ですね(^-^)
デザインはお任せということでプレッシャーはかなりありますが・・・(-_-;)
というわけで型紙を作ります。
ナイフの形は依頼時にクリアファイルに型取りしてくれていたので、それに中子(なかご)を加えて外寸を決めます。
中子はナイフの刃が当たる部分のスペーサーの事で、中子を挟むことによりナイフの刃がシースの糸に直接触れないよう保護するためのものです。
中子があるといっても、何度も使用していると少しずつ刃が食い込み、いずれ糸に到達することが予想されます。そうなった際に突然ナイフが飛び出してくる事のないよう、並行に2列縫っていくことで耐久性UPを図ります。
↓ これは前回のGS-1のシースにナイフの型を置いてみたとこ
なので中子の幅は、外側から1列目の縫い目までと、1列目の縫い目から2列目の縫い目まで、そして2列目からナイフの刃までの幅を合計して設定します。
合計がどれくらいかはナイショです(^-^)
ナイフの背の部分は縫わずに革を折り曲げていきます。その方がサイズも見た目もスッキリするのと、手の取った際に逆向きに持って怪我をしないよう刃側と背側で感触が異なるようにしたいからです。
この折り曲げ部分をどれくらいにすればいいのか毎回悩みますが、刃の厚みと革の厚み等によって違うので、革と相談しながら決めています。
片面分ができていれば反対面は型紙を折り曲げて写してしまえば楽です。
そして、私のシースの肝であるオリジナルフラップですが、本体側にあけた長穴に差し込む構造になっているんですが、フラップは直線ではなくカーブしているのが特徴です。このフラップの形は、完成した姿をイメージしながらフリーハンドで書いていきます。
このフラップの特徴は、次に挙げる通り3つあります。
- 金具を使わないので、大切なナイフに傷が付きにくい
- 縫い目も無いので、糸が切れる心配が無い
- ナイフを出し入れする向きとフラップの出し入れする向きが異なるので、ナイフが意図せず抜けることがない
特に3番目が重要で、不意に抜けないようにしようとロックを厳重にし過ぎると、操作性が悪くなり出し入れしにくく不便になってしまいます。
そこで、フラップの形状をカーブさせ、出し入れする向きを直線ではなく円を描くようにすることで、操作性を維持しつつロック機能も持たせることに成功しました(^-^)/
デザイン性も悪くない(と思ってます)し、部品数が少ないので数本重ねて収納しても嵩張りません(^-^)
という素敵なフラップなので、自信を持ってオススメできます。
長穴の位置は現物合わせなので、この時点ではまだ決めてません。
型紙はこんな感じで出来上がりです。
型紙を反転させれば、フラップと長穴の位置を反転することができます。
利き手に応じて自由にお選びいただけます。
次回は革の切り出しの記事を書こうと思います(^_^)
ではまた!